先輩のサンドウィッチマンから、全国ツアーの前説を任されたティモンディ。ネタを磨く機会に恵まれ、客席の反応も良くなっていった。そんなツアーのさなか、前田さんは先輩たちに、ある報告をする。
前田さんが振り返るツアーの思い出には、親身な先輩と、ちょっと照れくさい後輩の関係がにじんでいる。
七カ所、十四公演。前説でネタを磨く
当時、ティモンディとサンドウィッチマンは同じグレープカンパニーに所属していた。全国ツアーの前説を任されたティモンディには、本編が始まる前に、毎回少しだけ自分たちのネタを披露する時間も用意されたという。
富澤さんはネタが好きで、細かな助言をくれた。前田さんが紹介した言葉の一つが、これだ。
『人数が多い分、身振り手振りも大きくした方が伝わりやすい』
目の前のお客さんに、どう届けるか。教わっては試し、次の公演で直す。前田さんによると、ツアーは全国七カ所、十四公演。そのたびに修正を重ねたことで、手応えも変わっていった。
自分たちでも回を重ねるごとにお客さんの反応が良くなっている実感がありました。
先輩がくれたのは、舞台に立つ機会と、そこで少しずつ試せる時間だった。
報告したら、ライブの最後に呼ばれた
ツアーは、ティモンディが「M-1グランプリ」の予選を受けていた時期と重なっていた。なんとか一回戦を突破できたので、前田さんは礼儀として、先輩のふたりに報告した。
すると、ツアー中のライブの最後に、毎回呼び出されるようになった。前田さんが振り返る、サンドウィッチマンの紹介はこうだ。
『こいつら、M-1の一回戦通ったんですよ!』
何千人ものお客さんの前で、後輩の通過を喜んでくれる。ところが、客席にいるのはサンドウィッチマンの単独ライブに来るお笑いファン。前田さんによれば、予選にいくつも段階があることは、よく知っている人たちだ。
「なんだ、一回戦か」
そんな顔を、毎回されるように感じたという。
先輩たちに悪意はない。本当に自分のことのように喜んでくれている。だからこそ前田さんは、「ちょっと情けないような恥ずかしいような気持ち」になったと明かす。
次の報告については、こう話していた。
次は決勝に進出してからお二人にお伝えしようと思っています。