欲しいものは、指輪ひとつだった。

お笑いコンビ「スローラン」の原が、当時付き合っていたアメリカ人の恋人。花やプレゼントをよくくれる人で、原も、その気持ちはうれしかった。ただ、ペアリングを着けているカップルを見ると、どうしても憧れてしまう。

話:スローラン・原/構成:お笑いTV編集部

そこで、指輪が目に入るたびにアピールすることにした。

「かわいいな〜」

「これすごく素敵」

すると、クリスマスに彼から「プレゼントがある」と告げられた。

「目を閉じて、手を出して」

言われたとおりに手を出す。原は、やっと分かってくれたのだと思った。

その手に、パソコンがドンと置かれた。

「重っ!」

気持ちが重い、という意味ではない。指輪を受け取るつもりの手に、パソコンが来たのだ。

びっくりはした。でも、パソコンもかなりありがたかった。

誕生日こそは、と手を出したら

やがて誕生日が来た。彼はまた言った。

「プレゼントがある」

「目を閉じて、手を出して」

ついに、誕生日に向けて用意してくれていたのか。原が喜んで手を出すと、今度はマッサージマシーンだった。

お腹に当てて使う、小さな機械。マッサージにはよく行くので、これもうれしい。うれしいのだけれど。

「マシーンか………」

そして、何の記念日でもない日に、また「プレゼントがある」と言われた。

何でもない日にも贈り物をしてくれる。そのことを喜びながら家で待っていると、彼はテレビを運んできた。

パソコン、マッサージマシーン、テレビ。

「全部機械だ〜!」

彼の前で、使ってみた

指輪を待っていたら、部屋に家電が増えていった。

しかも、原によると、もらったのはどれもアメリカ向けの製品。プラグが合わず、テレビは電源が入っても放送を受信できなかったという。

贈ってくれる気持ちはうれしい。けれど、大きな家電が使えないまま家にある。

原は彼の目の前で使ってみせ、「使えないじゃん!」と伝えた。

彼は、こう答えた。

「おお!確かに使えないね〜」

そこで終わってしまった。

閉じたノートパソコンを両手に載せているスローラン・原。